民法では、相続人になれる権利と同様に、遺産の受け取り分についても明確に規定しています。
これを「法定相続分」といい、相続人の組み合わせと人数によって遺産の受け取り割合が変わります。
法定相続の割合
民法で決められている法定相続の割合は以下のとおりです。
法定相続人 | 相続順位 | 相続割合 | 配偶者の相続割合 |
---|---|---|---|
子 | 第1順位 | 1/2 | 1/2 |
被相続人の親 | 第2順位 | 1/3 | 2/3 |
被相続人の兄弟 | 第3順位 | 1/4 | 3/4 |
相続分は配偶者が2分の1、子供全員で2分の1となります。子供同士の取り分はすべて平等で、子供の中に養子がいたとしても、 養子の取り分も実の子供の取り分と同じ割合になります。
また、子供が非嫡出子(※)の場合であっても、法定相続分は嫡出子(※)と同じ割合ということになっています。
{平成25年12月5日,民法の一部を改正する法律が成立し,嫡出でない子の相続分が嫡出子の相続分と同等になりました(同月11日公布・施行)}
※嫡出子とは法律上の婚姻関係にある夫婦の間に生まれた子をいいます。非嫡出子とは、 結婚関係にない男女から生まれた子供で、 男性がその子供を、 自分の子供であると認めた状態のことをいいます。
なお、代襲相続で相続人となった人の相続割合は、 もとの相続人となるべきだった人の相続割合となんら変わりありません。
次に具体例をみてみましょう。
①配偶者と第一順位の子供3人がいる場合
配偶者が2分の1、子供は2分の1を均等に3人で分ける(2分の1×3分の1=6分の1)ため、それぞれ6分の1ずつの相続分になります。
②配偶者と第一順位の子供3人がいるが、その中で既に三男は死亡しており、長男と次男、三男の子供(2人・代襲相続)が相続する場合
配偶者が2分の1、長男、次男は2分の1を均等に3人で分ける(2分の1×3分の1=6分の1)ため、それぞれ6分の1ずつ、亡三男の子供2人は、6分の1を均等に2人で分ける(2分の1×3分の1×2分の1=12分の1)ため、それぞれ12分の1ずつになります。
③配偶者がいて、第一順位の相続人(子や孫)がなく、第二順位の父母がいる場合
配偶者が3分の2、父母は3分の1を均等に2人で分ける(3分の1×2分の1=6分の1)ため、それぞれ6分の1ずつの相続分になります。