相続税がかかる方

相続税が発生する場合

相続税は、亡くなった人(被相続人)の財産を相続や遺贈によって取得した際、相続財産の金額が大きい場合にかかる税金のことです。
これまでは相続税のかかる人は多くいませんでしたが、2015年から基礎控除の引き下げを含めた改正が行われ、課税対象者が増えることとなりました。

相続税がかかるかどうかを判断するためには、遺産相続を把握することが重要です。

遺産相続には、被相続人のプラスの財産にみなし相続財産を加えます。さらに被相続人が亡くなる前の3年以内に贈与された財産や生前に相続時精算課税制度で受け取った財産があれば、それも加えることになります。

相続財産等から基礎控除額を引いたものを、課税遺産総額といいます。
この課税遺産総額に対して、相続税を払うことになります。

課税遺産総額の計算

遺産額+被相続人が亡くなる3年前での贈与財産の金額−借金などの債務葬式費用の控除−基礎控除額=課税遺産総額

(※)ちなみに非課税財産といわれる、以下の財産は課税遺産総額に含みません。
墓所、墓石、仏壇、香典など
国や地方公共団体、特定の公益法人に寄付した財産
死亡退職金のうち次の額まで
500万円×法定相続人の数
生命保険金のうち次の額まで
500万円×法定相続人の数

こうして求めた遺産相続から、非課税財産や債務、葬式などを差し引いた分が、相続税の対象となる財産です。

さらに、相続税の対象となる財産の合計額から基礎控除を差し引いて、残った金額(課税遺産総額)に課税されます。

 

基礎控除額の計算

3000万円 + (600 万円 × 法定相続人の数) = 相続税の基礎控除額

この計算で算出された金額を、相続税の基礎控除額と言います。
この基礎控除額があるため、最低でも相続人が1人いたとすれば3600万円を超える遺産でなければ相続税はかからないということになります。
相続人が2人いれば4200万円、3人いれば4800万円を超える遺産でなければ相続税がかかりません。

そして、相続税は相続の開始を知った日の翌日から10カ月以内に申告と納付をする必要がありますが、遺産が基礎控除額以下であれば申告の必要はありません。
ただし、相続税の基礎控除額を超えているような場合は、相続税の申告の必要があるので相続税についての対応が必要となります。相続税の申告書の提出先は相続税の申告書は、被相続人の死亡の時における住所地を所轄する税務署長に提出します。
ただし、小規模宅地等の特例や特定計画山林の特例などを適用することにより課税価格の合計額が遺産に係る基礎控除額以下となる場合には、相続税の申告をする必要がありますので、ご注意ください。

相続税の申告を怠ると本来支払う相続税とは別に罰として加算税が課されます。

申告期限を過ぎてからの申告を行った場合、無申告加算税を支払わなければいけません。

遺産分割が途中の場合でも、申告は期限までに行わなければなりません。

受け継ぐ財産がわからなければ、相続税もわからないので申告しなければ良いというわけではありませんので注意しましょう。

相続税の納付は原則現金一括納付です。

相続税は原則として納付期限までに全額を現金で、それも一括で納めなくてはいけません。

※仮に期限までに申告したとしても、納付を忘れてしまうと延滞税というものが課されます。余分な税金を払わなくても済むように、必ず納付期限までに納めましょう。

期限内に相続税を完納できない場合は「延納」と「物納」という制度を活用することができます。

一口に相続税と言いましても、さまざまな手続き・判断が必要になります。
相続税は相続税法に精通しているのはもちろん、不動産の財産評価に関する知識の有無によって、税額が倍近く変わることもあると言われています。

 

相続税の配偶者控除

配偶者は、相続税が大幅に軽減されます。
具体的には、全遺産の2分の1、もしくは1億6,000万円、どちらか高いほうまで非課税になります。
たとえば遺産が1億円で、半分の5,000万円を相続したら、税金はゼロ。(全遺産の2分の1以下)
1億円全部を相続しても税金はゼロです。(1億6,000万円以下)
仮に遺産が5億円あっても、半分の2億5,000万円までは非課税。
とりあえず今は相続税の負担を免れたい、というときは、いったんすべてを配偶者に相続してもらうのも、ひとつの方法です。

 

準確定申告とは?

故人が生前にお商売等をいとなまれており、毎年の確定申告をされていた場合や、亡くなる直前に土地などを売却して収入を得た場合には、亡くなられた日から4ヶ月以内に故人の確定申告をおこなう必要があります。

これを、準確定申告といいます。

申告期限を過ぎると追徴課税などのペナルティがありますので、注意が必要です。